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生産性の向上と従業員の「働きがい」「働きやすさ」の関係

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生産性の向上と従業員の「働きがい」「働きやすさ」の関係

日々経営努力に取り組んでいらっしゃる企業様は、国内外の競合からリードするため、生き残りのため、もしくは、働き方改革推進のために、「生産性を上げなくては」と業務フローを見直したり、新しいテクノロジーを導入されている企業様も多いことと思います。

それによって、従業員は幸せになっていますか?

今回は、少し意外な「従業員の幸福度」と「生産性の向上」の関係についてご紹介します。

働き方改革以降に求められる「生産性向上」

2025年には、団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)に入ります。日本の高齢化は世界的にみても例のないスピードで 進行しており、将来的には、総人口における65歳以上の人口が21%を超える「超高齢化社会」を経て、日本の人口は減少していくと予想されます。 (参考:総務省「国勢調査」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」)
「働き方改革」は、こうした人口減少による労働人口の減少や長寿命化、テクノロジーの進化を背景に提唱されました。働き方改革というと、長時間労働や正規雇用と非正規雇用の待遇格差の是正に目が行きがちですが、それらは根本的解決ではなく、あくまで表面的な解決にしかなりません。働き方改革の実現には、もっと根本的な生産性の向上が必要となります 。そして、その根本的な生産性向上には、テクノロジーが大いに役立ちます。

今回は、根本的な生産性の向上について、テクノロジーの活用を通してご紹介します。

なぜ生産性を上げる必要があるのか

まずは、生産性を上げる必要性について、少し詳しく見ていきましょう。「働き方改革」で求められる生産性には大きく「労働生産性」と「知的生産性」があります。

「労働生産性」とは、一般に「労働時間当たりの生産量」として捉えられています。投入した労働量に対して、どれだけの生産量が得られたかということです。ムダな人件費をカットしたり、業務プロセスを見直したりすることで向上が期待できます。工場生産性ともよばれます。

一方、「知的生産性」とは、その名の通り、知的成果物の生産性を指します。とはいえ、知的生産性は企画業務など非定型的な業務のため、一定の測定法がありません。現段階では、取り組み方も「各従業員が思考を深める」といった抽象的なものとなりがちで、評価も上司それぞれの判断に委ねられがちです。しかし、働き方改革の最終ゴールは知的生産性の向上であるとされており、いずれはどの企業も取り組まざるを得なくなるものです。

この2つの生産性を上げることが、いわゆる「生産性の向上」と呼ばれるものです。

「働きがい」と「働きやすさ」がある企業は生産性が高い

厚生労働省の調査結果で、「働きがい」と「働きやすさ」がある企業は生産性が高いということがわかっています。

「働きがい」や「働きやすさ」があると回答した従業員の会社では、会社の業績が高い傾向にある。

(出典:厚生労働省「働きやすき生産性の高い職場のためのポータルサイト」の「『働きがい』『働きやすさ』と従業員の意欲・定着、会社の業績の関係」)


また、「働きがい」と「働きやすさ」があった方が従業員の意欲が高くて定着率も良いといいます。

「働きがい」や「働きやすさ」がある方が、従業員の意欲が高い傾向がある。

 

「働きがい」や「働きやすさ」がある方が、従業員の勤務継続の意向が高い。

(出典:厚生労働省「働きやすき生産性の高い職場のためのポータルサイト」の「『働きがい』『働きやすさ』と従業員の意欲・定着、会社の業績の関係」)

つまり、会社の生産性を上げたければ、一見遠回りのようですが、従業員の働きがいと働きやすさを追求して施策を展開するべきなのです。

従業員の「働きがい」と「働きやすさ」実現成功事例

従業員の「働きがい」と「働きやすさ」を実現するための取り組みを、「魅力ある成長企業アワード」受賞企業の取組事例から2つご紹介しましょう。

1つ目は、半導体、電子部品向け切断、研削、研磨装置で世界トップシェアを持つ精密加工装置メーカーの株式会社ディスコの取り組みです。同社では、「個人Will会計」という従業員の個人収支制度を導入することで見える化を実現しました。これにより、従業員一人ひとりが生産性向上を意識しながら個人事業主的思考で自主的に業務改善に取り組むようになり、パフォーマンスが向上したといいます。同社はもともと、部門別採算制度として「Will会計」を導入しており、「個人Will会計」はこれを従業員単位に応用したもの。Willは社内の通貨単位で、すべての行動には意志と対価(報奨・課金)があるという「価値交換」の考えにもとづいています。同社のこれにより、同社の顧客満足度およびサプライヤー満足度、従業員満足度は向上しています。

2つ目は、システム開発やITハード・ソフト販売などを手がける情報通信業のSCSK株式会社が取り組んでいる「スマートワーク・チャレンジ(スマチャレ)」です。同社では、社員の健康こそがすべての礎であるという理念のもと、トップ主導の働き方改革運動スマチャレを実施し、残業時間の削減、年次有給休暇取得率の上昇を実現してきました。注目したいポイントは、残業時間を削減することで残業代の分、所得が減ることを気にする社員や、病気など不測の事態に備えて有休を100%消化できない社員に配慮し、減少した残業代を全て社員に還元する制度や病気などで利用できるバックアップ休暇(年5日)を導入した点。トップダウンの取り組みながら、社員の立場に立った制度となっています。経営層は、一時的な業績ダウンも覚悟で始めた運動でしたが、営業利益率は7.5%(2012年度)から9.8%(2015年度)に増加したといいます。
(参考:厚生労働省「働きやすき生産性の高い職場のためのポータルサイト」の「魅力ある成長企業 アワード受賞企業の取組事例」)

これらの事例は一見、生産性とは無関係のように見えますが、働き方改革の推進、ひいては生産性向上につながった好例です。

生産性向上のための施策は「従業員の幸せ」を切り口に

「働き方改革」が提唱されてから2年が経過し、多くの企業で推進すべくさまざまな取り組みがなされていますが、現状の多くは「働き方改革」ではなく、ただの「働き方改善」にとどまっているという声もあります。

ルールありきで頭ごなしに「残業をするな」と言われても、従業員側は「業務量は変わらないのに…」とモチベーションが下がるだけで、結局は会社にとってプラスにならないでしょう。

根本的な捉え方を変え、「生産性を上げるための施策」ではなく「従業員を幸せにするための施策」という切り口で新しい仕組みを検討してみてはいかがでしょうか。


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