
こんにちは!
おもてなし電話の長岡です。
今日は、「新規顧客を獲得すること」と「既存顧客を大事にすること」どちらが重要なの?
というテーマについて考えたいと思います!
大企業はヒトもオカネもあるけれど、中小零細企業はギリギリでやってるから大変なんだよ!
という声は少なくないと思います。
限られた資源(人、物、時間、金)で効率良く売上をあげたい、しかも安定的に!というのは誰しも、特に中小企業経営者は常に考えていることだと思います。
その中でも大きなテーマ:
「新規顧客を獲得すること」と「既存顧客を大事にすること」どちらが重要?どちらに力を入れるべき?
多くの方が考えるテーマだと思います。
一体どうなのでしょうか?
それに役立つ情報をお伝えしたいと思います!
◆『1:5の法則』と『5:25の法則』
あるマーケティングの法則をご紹介します。
『1:5の法則』・・・新規顧客を獲得するコストは、既存顧客を維持するコストの5倍かかる、という法則
『5:25の法則』・・・顧客離れを5%改善すれば、利益が最低でも25%改善される、という法則
これは、アメリカの大手コンサル会社であるベイン・アンド・カンパニー社の名誉ディレクターを務める、フレデリック・F・ライクヘルドという方が調査の結果見出した法則(※)で、マーケティング業界や様々な経営戦略の場面で引用されている法則です。
1)「新規顧客を獲得すること」に必死になると陥る落とし穴
目の前のノルマや、短期的な売上目標を達成するためには、どうしても新規顧客獲得に力を注ぎがちです。
もちろんそれも重要ですが、
新規顧客を集客し、そこから売上をあげるためには、既存顧客から売上をあげるのに比べて5倍のコストがかかる(『1:5の法則』)のです!
具体的に考えてみると・・・
・新規顧客を集めて売上をあげる方法としては、
新規開拓の営業をし、名刺交換とアポ取り、商談を重ね、金額交渉をし・・・と言った手間と時間をかけ、
もしくは、宣伝広告を出し、キャンペーンやクーポンで値引きをし・・・と言ったお金をかけ、
コスト(人、物、時間、お金)がたくさんかかります。
・それに比べて、既存顧客から売上をあげる方法としては、
毎月・毎年といった定期的に売上をあげるサービスや商品を利用しつづけてもらう、
追加でサービスや商品を購入してもらう、
別の新規顧客を紹介してもらう・・・というように、
新規顧客から売上を得るために必要なコストの5分の1で済む、ということが調査の結果わかったのです。
したがって、売上をあげるために「新規顧客の開拓にばかり偏る」のは、中長期的に見ると非効率な行動だったのです!
より効率的で「費用対効果の高い」方法とは、
(1)今すでにいる既存顧客が他社に行ってしまう(=離反する)頻度や確率を下げること
(2)既存顧客からの追加売上を増加させること
この2点にも大きく力を注ぐことであり、
それが、より少ないコストで安定経営につなげるために重要である、と同氏は説いています。
さらに、「既存顧客が離れる確率を5%下げると、利益が25%から95%改善する」とも述べており、既存顧客との関係性構築の重要性を説いています。(『5:25の法則』)
2)つまり、新規顧客と既存顧客のバランスは
冒頭のテーマ:「新規顧客を獲得すること」と「既存顧客を大事にすること」どちらが重要なの?
に、この法則をあてはめると、
『どちらも重要ではあるが、後者に力を注ぐと、より効率的に安定経営を実現できる』という事になります!
(※)『1:5の法則』と『5:25の法則』はマーケティング業界では有名な法則で、日本でも様々なサイトや資料で使われていますが、たいてい「根拠は不明ですが」「〜らしいです(※誰の法則かは書いてない)」という表記がほとんどでした。
今回根拠となる情報をいろいろ調べまして、おおもとの論文を見つけました!
が、英語で日本語訳された論文はありませんでした。。
出典論文はブログの最後に記載してあります。
◆「新規顧客を獲得すること」「既存顧客を大事にすること」のよくある方法
ところで「新規顧客を獲得すること」と「既存顧客を大事にすること」、具体的にはどんな方法が一般的でしょうか?
1)新規顧客を獲得するための方法
・新規開拓営業
・展示会、商談会、交流会に行く
・リスティングにテレアポ、メールやFAXでDM
・飛び込み営業
・宣伝広告
・キャンペーンやクーポン施策
などなど。
これらの営業活動を請け負う企業もたくさんあるので、「外注する」という方法もありますね。
いずれも、営業がドンドン外に出て行ってガンガン取ってくる(結構パワーが必要)、そんなイメージではないでしょうか。
2)既存顧客を大事にするための方法
一方、こちらでパッと思いつくのは
・カスタマーサポートの部門
・お客様窓口
・HPにオンラインの問い合わせ受付を設ける
・お客様対応用のコールセンターを作る
などなど。
新規開拓営業の「攻め」のイメージとは反対で、
「お客様から連絡が来たら対応する」
「クレーム対応」
「言われたことに対応する」
といった「守り」「待ち」のイメージが強いのではないでしょうか。
中には、「会社として、問合せ窓口スタッフはマニュアル通りに対応しなさいと言われている」という所も。
でも、今いるお客様から新たな売上をあげるためには、「守り」「待ち」の姿勢で、本当に良いのでしょうか?
◆「既存顧客を大事にすること」は「地味」だから後回しにされがち!でも実は・・・
でも、最初に法則で見たように
『1:5の法則』・・・新規顧客を獲得するコストは、既存顧客を維持するコストの5倍かかる、という法則
『5:25の法則』・・・顧客離れを5%改善すれば、利益が最低でも25%改善される、という法則
これによって、「既存顧客との関係性を構築し、そこから売上をあげる」ことで、「低コストで高利益を産むことができる」ことが立証されています。
ということは、「言われたことに対応する」だけ、「マニュアル通りに対処する」だけ、といった受動的なアプローチではなく、もっと能動的に利益を産むアプローチがあるはず!
でも、「既存顧客との関係性を構築する方法」は、意外と世の中に出回っていません。
なぜなら、「顧客との関係性構築」は
・会社ごとにアプローチ方法が全く異なるもので、
・地味で時間のかかるもの、だからです。
「新規顧客の獲得」は、人海戦術や値引きですぐに効果が出る、すぐに売上が立つ、効果が目に見えやすい。
目立つので、会社の経営陣としてはすぐに取り組みたくなるものです。
しかし、「既存顧客との関係性構築」は、人海戦術や値引きはが通用しない部分、1社の成功事例が他社では通用しない部分が多く、効果が現れるのに時間がかかる、売上に直結しない。
なかなか目に見えないものは、ついつい後回しにしがちです。
この「既存顧客との関係性構築」は、さっと外注に出せるような業務ではなく、自社のお客様との取引履歴や長いお付き合いの関係性を知っている自社社員こそができる事なのです。
カスタマーサポートだけする部門に切り分けて、派遣スタッフだけに任せきり、マニュアル通りの単調な仕事、というわけでは決してなく、自社の既存顧客とどうやって信頼関係を築いていくか、会社全体で知恵を出すべき重要な部分なのです。
◆「既存顧客を大事にする」ことで売上をあげる、3つの具体的方法
今回はこの3つをご紹介します。
1、以前サービスの利用や商品購入はあるが、長期間再購入や再利用がみられない顧客に再アプローチする
2、定期的、継続的に既存顧客とコミュニケーションを取る
3、カスタマーサポートを改善する、マニュアル対応から脱却する
1、以前サービスの利用や商品購入はあるが、長期間再購入や再利用がみられない顧客に再アプローチする
このお客様は、他社にうつっている可能性もありますが、こちらの事を忘れているだけの可能性もあります。
この顧客グループをピックアップするには、顧客管理、顧客情報の整理が必要になります。
しかし、以前すでに自社サービス・商品の購入をされたお客様なので、イチから営業トークをする必要も無く、少しのアプローチで売上があがる可能性も大きいグループです。
メールによるキャンペーンのお知らせ、セール告知、メルマガ会員の優遇措置のお知らせ、等だけでも効果が現れます。
その他、ハガキ等によるDM、電話によるコミュニケーションも挙げられます。
2、定期的、継続的に既存顧客とコミュニケーションを取る
これは、お客様が特に自社に不満が無くても、存在を忘れることで他社に流れることを防止します。
また、定期的に新しい情報、お得な情報、お役立ちコンテンツ等を伝えることで、お客様側からのアクションを起こすハードルを下げておく事ができます。
これにもメール、DM、電話、またSMS(ショートメッセージ)などが効果的です。
3、カスタマーサポートを改善する、マニュアル対応から脱却する
これは特に、大企業ではない中小零細企業だからこそできる取り組みです。
超大企業のように顧客数が何百万、何千万といたら、効率化のためにマニュアル運営、コールセンター対応になりますが、そこに至らない中小企業にとって、ひとりの既存顧客の存在は非常に大きなものです。
お客様窓口に連絡をいただいたお客様に対しては、電話口のお問い合わせに対応するだけでなく、現状ご不満なこと、疑問なこと、ご要望等を伺い、次のコミュニケーションにつなげる事が重要になります。
そのために、顧客対応スタッフには、マニュアル通りの対応ではなく、自分の頭で考え対応できるだけの知識を教育し、またある程度の権限を与える、という取り組みも重要になります。
今現在の、自社の既存顧客が何を求めているのか、何に不満を持っているのか、既存顧客のことを一番よく分かっているのは、5年前にその案件を取ってきた営業担当ではなく、毎日電話を取っているカスタマーサポートスタッフなのです。
◆まとめ
今回は、「新規顧客を獲得すること」と「既存顧客を大事にすること」どちらが重要なの?
というテーマについて、『1:5の法則』『5:25の法則』を参考にしながらお伝えしました。
いかがだったでしょうか?
実は、弊社のクラウドCTIおもてなし電話には、「既存顧客との関係性を構築する」効果があります。
次回のブログでは、おもてなし電話が「既存顧客との関係性を構築」した結果、『リピート率アップ』と『顧客離反率ダウン』の実績を出している活用方法をご紹介いたします。
お楽しみに!
(※)『1:5の法則』『5:25の法則』出典元:
Frederick F. Reichheld & Phil Schefter, “E-Loyalty: Your Secret Weapon on the Web”, Harvard Business Review, July 2000
https://hbr.org/2000/07/e-loyalty-your-secret-weapon-on-the-web
Frederick Reichheld and W. Earl Sasser, Jr., “Zero Defections: Quality Comes to Services,” Harvard Business Review, September 1990
https://hbr.org/1990/09/zero-defections-quality-comes-to-services
* * * * * *
【おもてなし電話】についての詳細をお知りになりたい方は、お気軽にお問い合わせください!
TEL: 03-6721-0415
E-Mail: info@thinca.co.jp
【おもてなし電話】紹介ページ
https://www.thinca.co.jp/service/cti/
次世代を創る情熱リーダーのための電子雑誌【SUPER CEO】に掲載されました!
https://superceo.jp/focus/c/i80402-shinka